牛の成長
牛の成長には、それぞれの段階で違うケアと管理が必要です。
新生子期、離乳期〜育成初期、育成中期、繁殖期、妊娠期、そして初産・搾乳牛。
やんべ牧場では、この一連の成長過程を丁寧にサポートし、牛が健やかに育つ環境づくりに力を注いでいます。

新生子期(哺乳期)
- 初乳は生後2時間以内に与えることが命綱(免疫抗体)
- 哺乳は1日2〜3回、温度管理されたミルク
- 寒冷地では保温(ジャケットや暖房)も重要
- 下痢や肺炎リスクが高いため、清潔・乾燥を徹底

離乳期〜育成初期
- 離乳はルーメン(第一胃)の発達を促してから
- 子牛用ペレット、乾草、清潔な水を与える
- ワクチン接種(BVD、IBRなど)を計画的に行う
- 定期的な体重測定と健康チェックが重要

育成中期
- 栄養バランスを考えたTMRまたは個別給餌
- 成長に応じて群分け(グループ別管理)
- 削蹄などの習慣付けを始める

繁殖期
- 目標体重に達したら人工授精
- 発情観察がポイント(尾の動き、落ち着き、分泌物など)
- 骨格が未熟なままの種付けは将来の乳量に悪影響

妊娠期
- 十分な栄養を保ちつつ、過肥は避ける
- 分娩前1〜2ヶ月で「乾乳」=乳を止める
- 分娩前のワクチン、ミネラル補給も重要

初産・搾乳牛
- 初産を終え、乳牛として生産牛群に合流
- 搾乳に慣れさせ、ストレスを最小限に
- 最初の哺乳期の管理が良いと、初回分娩後の乳量が多く、病気にも強い傾向にあります

人の成長
牧場経営においては、「牛の成長」と同じくらい「人の成長」も重要です。
特に1,500頭規模の牧場では、個人の能力や意識が牧場全体の生産性・職場の雰囲気・定着率に直結します。
以下に、牧場における人材の成長ステップ、育成のポイント、理想のキャリア形成についてまとめます。

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初期入社~半年
- 主な内容
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- 作業の基本を習得
搾乳、給餌、掃除、哺乳など
指導を受けながら、
決められたことを確実にこなす段階
- 作業の基本を習得
- 成長ポイント
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- 報連相の徹底
- 牛に対する「観察力」を養う
- 道具や設備の正しい使い方を身につける
- サポートの工夫
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- OJT(先輩の横で実地訓練)
- 作業マニュアルの整備
- 「質問しやすい雰囲気」づくりが重要
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中期半年~2年
- 主な内容
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- 作業全般を一人でこなせるようになる
- 状況に応じて判断・対応できるようになる
- 子牛管理や発情観察など、より専門性のある業務にも挑戦
- 成長ポイント
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- 「なぜこの作業が必要か」背景を理解する
- 観察 → 判断 → 報告 → 行動
の流れを身につける - チーム全体の動きを見ながら作業ができるようになる
- サポートの工夫
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- 役割を明確にし、責任を持たせる
- 小さな改善提案を受け入れる風土
- 定期的な面談やフィードバック
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上級・リーダー層2年以降
- 主な内容
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- 作業の指導、後輩の育成
- 繁殖管理、飼料設計、健康管理など専門業務
- 牧場全体の流れや数字(乳量、生産性)に関心を持つ
- 成長ポイント
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- 「人を育てる」意識を持つ
- 問題の早期発見・解決ができる
- 計画立案・改善提案ができる
- サポートの工夫
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- 階層別研修
例:繁殖、搾乳、機械整備などの外部研修
- 責任ある業務の任せ方
例:子牛担当リーダー
- キャリアパスの提示
(牧場長、副管理者への道)
- 階層別研修

大規模牧場としての
挑戦
当牧場が「増産」を
目指す理由
私たちは現在、1,500頭規模の乳牛を飼育しています。
これまで積み重ねてきた飼養技術・労務管理・環境整備をさらに高めることで、「質の高い増産」を実現したいと考えています。
当牧場が増産を目指す理由は、単なる生産量の拡大ではなく、持続可能で働きがいのある牧場づくりにつながるからです。
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01消費者への責任
私たち酪農家は、単に牛乳を生産するだけでなく、「安心・安全な食べ物をより多くの食卓に届ける責任」を担っています。
その責任を果たすため、当牧場では日々の管理・品質・情報発信に力を入れています。 -
02経営の安定と未来への投資
飼料や資材の高騰、人件費の上昇など、経営環境は年々厳しくなっています。
その中で乳量を増やすことは、収益の安定化と、将来への設備・人材投資を可能にします。 -
03牛の能力を最大限に引き出す
頭数を増やすのではなく、1頭1頭の健康状態や栄養管理を見直し、適正な乳量を引き出すことが目標です。
牛に無理をさせるのではなく、「健康=良い乳=持続的な生産」という好循環を目指します。 -
04働く人のやりがいとチームの成長
増産の成果は、日々の観察や管理の積み重ねによって生まれます。
「自分たちの働きが数字に表れる」という実感は、スタッフ一人ひとりの自信と誇りに直結します。
増産の取り組みを通じて、人も一緒に育つ職場を目指します。 -
05地域と社会への責任
日本全体で酪農経営が減少する中、私たちが安定して生乳を供給し続けることは、乳業や消費者の生活を支えることにもつながります。
「自分たちの牧場が、地域と食を守る」という使命感を持って取り組んでいます。 -
06持続可能な酪農のモデルに
効率と福祉、品質と働きやすさを両立した経営が、これからの酪農の鍵です。
当牧場は、“儲かる”“働きがいのある”“地域に必要とされる”酪農のモデルとして、挑戦を続けていきます。
チームワークで
共に成長する
牧場におけるチームワーク
の重要性
1,500頭規模という大きな牧場では、一人でできる仕事には限りがあります。
だからこそ、私たちは「人と人との連携」=チームワークを何より大切にしています。
チームワークが
求められる場面
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搾乳作業の
連携作業スピード・牛の状態
安全への配慮が必要 -
哺乳や子牛管理の
引き継ぎ小さな変化に気づき、
次の担当者へ確実に共有 -
トラブル発生時の
迅速な対応一人で抱え込まず、
周囲と相談して対応する文化 -
繁殖・獣医対応などの
調整各部門が連携し、
牛のスケジュール管理を徹底